アコギのある風景

押尾コータロー好きなおじさんのギター日記

コマンチさんと父の日を

先日、父の日ということで父親を誘って jiRoさんオススメのコマンチさんこと小松原俊さんのライブに行ってきました。

昔はベンチャーズビートルズに憧れてギターをやっていた父親ですが、僕が物心つく頃にはぱったりとギターをやめ、僕の中でも父親がギターを弾くイメージは皆無に等しかった。そんな中、僕が5年ほど前からギターを始めたのに影響されたのか父親も約30年ぶりくらいにギターを再開し、今ではお互い良いギター仲間となっております。実家に行くとモーリスのアコギとモズライトのベンチャーズ仕様エレキが壁に掛かっています。僕は専らアコギのモーリスを手にとってポロポロ弾き出しますが、薄青く輝くモズライトもなかなか良いものです。

そんな父親を誘って小松原さんのライブへ足を運びました。会場は札幌の「JAMUSICA」というライブバーです。初めて訪れましたが、こじんまりしたとてもよい雰囲気のバーという感じ。壁にはミュージシャンのサインが並び、だいたい規模は30人くらいのキャパでしょうか。僕らは開演の一時間近く前に会場入りし、ビールやウイスキーを片手につまみのポテトやウインナーをいただきながらギター談議に花を咲かせておりました。隣にはコマンチさんのと思われるギターがスタンドに立てかけられている。傍にはレキシコンのエフェクター(550って書いてあったかな)と M-Factory と思われるミキサーが積んである。ワクワクドキドキが止まらない。

客層はギターマニアと思われる親父さん達が数名と、なぜかおばさんグループが6名ほどでベストポジションを陣取っている。家族連れもいたかな。お父さんはいかにもギター好きな感じがしたけれど。若者も数名、カップルも一組ほど。

そうこうしていると、小松原さんらしき人物がふらっとバーに入ってきている。特に「ワー」とか「キャー」とかの声援は無く、極自然に演奏場所に入っていく感じがまた渋みを感じる。それにしても、僕の位置からほんの1メートル先で小松原さんが座りギターを構えているのを目の当たりにして、「ええ、こんなに近いの!」ととても信じられなかった。親しみやすいMCの後演奏に入る。ものすごい良い音。そしてすぐ目の前で演奏してくれていることの素晴らしさ。もう終始小松原さんの指さばきに釘づけでした。一曲終わるたびに感動の拍手と少々のMCという感じで演奏が続く。ウイスキーを傾けながら極上の演奏に身を委ねる。なんとも心地の良い時間だ。

曲目は僕はそれほど詳しくないので良くわからなかったけど、jiRo さんにいただいた「Tresures」のアルバムの曲が多かった気がする。「ステッセルのピアノ」も聴けたし「らくだ」も聴けた。第2部では初っ端から「Voyager」で度肝を抜かれました。「Mother And Father」ではなんだか暖かいメロディーで涙腺が緩む。会場にいた9歳の女の子のリクエストだと言う「くじら」も良かった。その他にも新曲を何曲も弾いてくれた。日本的な曲やアジアチックな曲。本当に多彩で繊細な音色が素晴らしかった。

そして小松原さんの親しみやすいMCも楽しかった。すぐ隣に位置していた僕とMC中に何度か目が合い、「こっちの人は拍手がすぐ終わるねぇ。疲れているの?」と僕達を指差しながら笑っていた。この距離感、醸し出す雰囲気、人柄、全て彼の魅力ですね。こんな素敵な場所にいることが許されている僕らはなんて幸せ者なんだろう。ライブ中、何度もその幸福感をかみ締めた。

約2時間半の演奏の後、アンコールは「Love Song」。素敵です。帰りがけに父親がCDを買って小松原さんから握手とサインをいただいた。父親もとても満足してくれたみたいで良い父の日になったかな。僕にとっても本当に良いライブを体感することができました。やはり生のギター演奏は最高ですね。小松原さん、ありがとう。jiRoさん、ありがとう。