アコギのある風景

押尾コータロー好きなおじさんのギター日記

上手くなりたい

突然ギターが超上手くなる薬とか無いかな。50万くらいまでなら出すのに。とかそんな事考えてる前に練習しな練習。


俺って絶対そこいらの人よりもギターの上達度が遅い。毎日毎日練習しているのにちっとも上手くならないし。ってまぁ自分を卑下してもしょうがないので、少しでも上手くなれるように練習するしかないな。で、なんで俺はギターを上手くなりたいんだろう。誰かに聴かせる目的があるわけでもないのに。なんなんだろう。


ギターの音が好き。弦が空気を揺らす音が好き。そんな周波数が好き。和音が好き。美しいメロディーが好き。弦に食い込む指の感触が好き。自分が思う通りの音が聴こえるのが好き。感性のままに弾いていたい。手足のようにギターを操りたい。ギターが上手くなりたい。そして、経験の蓄積が気持ちいい。


昔はTVゲームにどっぷりとハマっていた。RPGとかは自分の分身でもある主人公が日々の戦いの経験値でちょっとづつでも強くなっていくのが楽しみで嬉しくてしょうがなかった。毎日テレビの前に座り、地道に戦ったりお金を貯めたり装備を整えたりすることで、主人公が成長していく、自分が成長させていく様を眺めているのになんだかとても充実感を覚えた。そんなのがきっとRPGの面白さの大部分なんだろう。 でも、そんなゲームもクリアしてしまったり、データが消えてしまったりしたらそれまでの経験値はまったくの無になってしまい楽しかった記憶以外は何も残らない。


ギターを始めてから、ゲームをまったくといっていいほどやらなくなった。ギターという楽器を通して、毎日毎日練習することで地道に成長していく自分が嬉しくなった。基本的にはRPGの楽しさと同じ種類の充実感なのかもしれない。だけどギターとゲームとで異なるのは、ゲームはあくまでも誰かが意図して作ったものであり、結局はその想定された世界の中の筋道(ストーリー)を辿ることにすぎないけど、ギターを弾くことに筋道も限界もない。自分が思うがままに練習し、弾きたい曲を弾き、弾きたいだけ練習する。クリアも無いしわかりやすいレベルアップもない。練習すれば練習するだけ上手くなれる(と信じている)し、自分にしか出せない音もきっとある。その時その瞬間の音はかすかな余韻を残して空気中に消えてしまうけど、弾けば弾くだけその経験値は確実に自分の体に蓄えられている。そして時々、「あれ、上手くなってる」「弾けなかったフレーズが弾けてる」というような実感を得る。そんなのを感じてしまうと、もう誰かが用意した世界で時間を潰している暇は無い。弾けば弾くほどギターの世界が深まる。世界の広さを知る。そしてさらに知りたいと欲が深まる。だからやめられない。まさにギターホリック。


そしてこんな時間。